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【毎日新聞掲載記事】平和の尊さ、かみしめ

被爆桜、旅立ちの春
「今できることを精いっぱいしてください」――。MOTTAINAIキャンペーンの提唱者、故ワンガリ・マータイさんが5年前、広島市の平和記念公園に植えた「被爆桜」が今春、満開の花を咲かせた。一緒に植樹した当時の女子高生も今は社会人。マータイさんの言葉を胸に、新たな未来に旅立つ。マータイさんが込めた平和への思いは、次の世代に着実に受け継がれている。【山口昭、七井辰男】

5年前マータイさんと植樹、広島の女子高生
広島市の平和記念公園で3月末に満開のときを迎えたソメイヨシノ。2010年2月12日に、マータイさんが地元の広島女学院高の生徒や広陵高の野球部員、奥島孝康・日本高野連会長と植樹した被爆桜だ。

被爆桜は、広島市役所の敷地内で被爆したソメイヨシノから採取した枝を接ぎ木して育てたもの。当時は2メートルほどの高さだったが、「こんなに大きく育つなんて」。見上げるほどに成長し咲き誇る姿を見て、一緒に植樹した陰山奈穂さん(22)から笑みがこぼれた。

「核廃絶のための署名用紙を差し出すと、マータイさんはすぐに署名に応じ、『今できることを精いっぱいしてください』と語ってくれたことが心に残っています」と当時を振り返る。

生徒たちを引率した高見知伸先生(49)も「被爆者が語る体験を涙をこぼしながら、じっと聴き入っていた。そして話し終わると、その方を抱きしめられた。スケールの大きな方だと感じた」と話す。

「マータイさんと一緒に植樹した経験は現在も生かされている」と語る陰山さん。高校卒業後、広島市立大国際学部に進学。3年時に海外インターンシップのプログラムで、半年間、カリブ海のドミニカ共和国の中学校で、被災直後の市内や原爆ドームの写真を見せながら原爆の被害を説明した。約100人の生徒の9割以上が広島への原爆投下を知っており、半数以上が1945年に投下されたことを知っていたという。

4月からは地元の自動車会社関連の物流サービス会社に就職。「いずれは海外で勤務する機会があるかもしれない。広島に生まれた者として、原爆のことを聞かれたら、きちんと伝えられる人でありたい」と陰山さんは語った。

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マータイさんと一緒に植えた被爆桜の満開の花を見上げながら、思い出を語る陰山奈穂さん(右)と高見知伸先生=広島市の平和記念公園で今年3月30日、山田茂雄撮影

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2010年2月12日にマータイさん(右端)と行われた被爆桜の植樹。右から4人目が陰山奈穂さん=山田茂雄撮影

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