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【毎日新聞掲載記事】MOTTAINAI:シルバさん新春メッセージ 世界へ広がる精神

アマゾン熱帯雨林の環境保護活動家で昨年10月に初来日したマリナ・シルバ元ブラジル環境相が、MOTTAINAIキャンペーン事務局に新年のメッセージを寄せた。昨年末にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に参加、その成果や課題とともに、日本でお世話になった人々への感謝の言葉も込められている。また、東京・浅草にオープンした「まるごとにっぽん」のキャンペーンコーナーなど内外に広がる動きを紹介する。【七井辰男、山口昭】

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COP21のシンポジウムで発言するマリナ・シルバさん=舛方周一郎さん撮影


パリ協定、市民の力 具体化へ行動を

新年、おめでとうございます。

日本訪問では、たいへんお世話になりました。皆さんから学んだ「もったいない」という言葉は、経済、社会、環境、文化の危機にある私たちにとって、重要かつとても価値のある意味を持っています。この言葉が、廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化、自然に対する畏怖(いふ)の念を意味しているからです。私たちの消費、生産様式だけでなく、自然との関わり方、新しい生活様式を促す力が凝縮されており、世界中の人々に考えさせる力があります。政府や企業等が取り組んでいるプロジェクトにこの言葉の精神が反映されるよう努力しなければなりません。

さて、COP21ですが、世界の平均気温の産業革命前からの上昇幅を2度から1・5度未満に抑える目標を設定したことは、称賛に値すると思います。科学者からの警告、議長国フランスの外交努力、(EU<欧州連合>や米国が温暖化の被害を受けやすい島しょ国などと結成した)「野心連合」と呼ばれる各国間の連携、市民社会からの辛抱強い要求の成果です。

一方で協定は(1)国ごとの温室効果ガス削減目標の達成が義務化されず、完全実施されても約3度の上昇が起きる(2)条文から「低炭素化」という概念が削除され、化石燃料への補助金停止や炭素税への言及がない(3)2050年までの削減目標から具体的数字が消え「できるだけ早く」などあいまいな表現に変わった――など不十分な点が多く、実効性に疑問が残ります。

資金面でも、先進国から後発途上国への資金援助は年間1000億ドル(約12兆円)を下限とすること、となっていますが、実際に必要な額からはほど遠いといえます。大いなる「野心」に基づく協定は、実現されないリスクを負っています。消費と生産のモデルを転換させるために各国の政治的な指導力の重要性が示されましたが、会議に出た政治家は国内で合意事項の進展を促すことに指導力を発揮していません。

オイディプス王にスフィンクスが投げかけた謎のように、パリ協定は新たな「謎」を我々に突きつけました。目標、期間、資金や決定事項の実践などについて回答を読み解くことができるか。あるいは解くことができず、破滅にひた走るのか。それでも、パリ協定で生まれた野心、喝采に背いてはいけません。必要なのは約束を具体化し、ただちに行動することです。(寄稿)

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