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【毎日新聞掲載記事】なくそう「食品ロス」 「おてらおやつクラブ」全国の323寺賛同 お供え物、必要な所へ宅配

食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」が社会問題化している。農水省の推計(2012年)では、国内の食品ロスは年間642万トン。国民1人あたり毎日お茶わん1杯分のごはんに相当するという。こんな状況をなんとかしようと、お供え物を一人親家庭に配っている「おてらおやつクラブ」(代表・松島靖朗(せいろう)住職=奈良県田原本町)をはじめとする市民団体の活動が全国に広がっている。松島住職と消費生活アドバイザーの井出留美さん(埼玉県川口市)は食品ロスの削減をテーマにした毎日メディアカフェ講演会を6月3日午後6時半から東京都千代田区の毎日新聞社で開く。【七井辰男】

フランスでは、全土の大型スーパーに売れ残りの食料の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付を義務付ける法律が今年2月に成立。日本でも、一般家庭から余った食品を寄付してもらい、貧困家庭などに配る全国フードバンク推進協議会が昨年発足したのをはじめ、残ったパーティー料理を持ち帰れるドギーバッグを提供するホテルや賞味期限間近の食品を安価で提供する百貨店など「もったいない」精神を生かした取り組みが始まっている。

13年秋に始まった「おてらおやつクラブ」は今月、賛同する超宗派のお寺が全国47都道府県すべてに拡大、323カ寺まで広がった。インターネットのサイト(http://otera-oyatsu.club/)で協力を募り、支援団体や一人親家庭に宅配便を届けるシステム。宅配便は飲食物に限らず、檀家(だんか)で使わなくなったおもちゃや文房具なども寄せられ、ミカン箱サイズで毎月150箱、延べ約2700人もの子どもの元に送られている。
松島住職は、東京の早稲田大学卒業後、NTTデータに就職し、当時最先端のインターネットビジネスなどに取り組んだ。しかし、都会での多忙な生活に「これが自分らしい生き方なのか」と自問自答するようになり、「お寺の仕事もユニークな生き方では」と再び故郷に戻ることを決意。厳しい修行を経て僧侶となった。
食品ロスについて松島住職は「ゼロにするのは難しいが、どう減らしていくかという視点が大切。地域のハブとしてお寺にできることはまだまだある。仏の目線から苦しい人々に手を差し伸べる『仏助』の精神を広げていきたい」と話す。

◇「自分たちができること10カ条」 井出さんら講演 千代田区で6月3日開催

MOTTAINAIキャンペーン事務局は食品ロスの削減をテーマにした毎日メディアカフェ講演会を6月3日午後6時半から、東京都千代田区の毎日新聞社1階の「MOTTAINAI STATION」で開く。
スーパーに売れ残りの食品廃棄を禁止したフランスなどの国際的な動きや、納品期限は賞味期限の3分の1以内とする業界の「3分の1ルール」の見直し、自治体や市民団体の取り組みなどを、消費生活アドバイザーの井出留美さんが解説。ロス削減のために「自分たちができること10カ条」も紹介する。松島住職は「おてらおやつクラブ」の活動を報告する。会場では、家庭で余っていて、1カ月以上賞味期限が残っている食品を集め、福祉団体などに寄付する「フードドライブ」も実施する。
井出さんは「震災時に食糧不足が起きたのが一つの契機となり、ライフスタイルを見直そうという機運が高まっている。東京オリンピックでもいかに食品廃棄を減らすかが注目される」と話している。
入場無料。申し込みは毎日メディアカフェのウェブサイトから。


食品ロスに対する自治体や市民団体の取り組みについて講演する消費生活アドバイザーの井出留美さん

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余ったお供え物を箱詰めする「おてらおやつクラブ」の松島靖朗さん(同クラブ提供)

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