キリンビールは15日、規格外で販売できずに廃棄されている果物をチューハイの原料として商品化する「氷結mottainaiプロジェクト」をスタートさせると発表しました。第一弾は横浜市で生産されるブランド梨を原料とした「氷結mottainai浜なし」です。5月7日から全国のスーパーやコンビニなどで発売されます。
「キリン氷結」は2001年の誕生以来、約100種類の果物を活用し、約500商品を展開してきました。原料を提供する果物農家が、規格外の果物を大量に廃棄せざるを得ない課題を抱えていることから、「モッタイナイ果実」と位置づけて、その解決に寄与したいとプロジェクトを立ち上げました。27年にはこのプロジェクトによって、年間150トンの果実廃棄の削減を計画しています。キリンビールは「おいしさと社会貢献を両立した新商品を発売することで共感の輪を広げ、さらなる市場拡大にも貢献したい」と話しています。
「浜なし」はみずみずしい豊かな甘みが特長です。朝に収穫し、その日のうちに直売するため市場に出回りにくく、「幻の梨」とも称されています。しかし、果肉の一部が半透明の水浸状になる「密症」になることが多く、食べられるのに廃棄されるケースも多いそうです。今回の商品化で約2万2000個の廃棄削減を目指していきます。第一弾の商品に選ばれたのは「キリンビールの発祥地が横浜だったこと」も理由の一つだそうです。15日の記者会見に参加した生産農家やJA横浜の担当者は「捨てられる果実に再び命が吹き込まれ、全国に届けられる」とうれしそうに話していました。
キリンビールは、今回のプロジェクトでの売り上げ1本につき1円を果物農家に寄付します。また、MOTTAINAIキャンペーンとも連携し、売り上げの一部をワンガリ・マータイさんがケニアで創設した植林活動「グリーンベルト運動」に送ります。
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