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アルピニスト・野口健さんと行く「富士山クリーンツアー」11月19日に実施 急増する「尿入りペットボトル」 対策が課題 

 アルピニストの野口健さんと取り組む「富士山クリーンツアー」(毎日新聞社MOTTAINAIキャンペーン事務局主催、認定NPO法人富士山クラブ協力)が11月19日、山梨県内で実施されました。貸し切りバスを利用し、東京・新宿駅西口を出発、山梨県鳴沢村の青木ケ原樹海を清掃した後、日帰りするツアーで、毎日新聞社が続ける富士山再生キャンペーンの一環です。

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青木ケ原樹海で、清掃活動をするアルピニストの野口健さん(左から2人目)と「富士山クリーンツアー」の参加者=山梨県鳴沢村で2022年11月19日

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 山梨県富士河口湖町の廃校を活用した「富士山クラブもりの学校」の校庭で行われた開会式は、野口さんの「富士山の清掃活動は2000年から始めて、毎日新聞さんも同時期から協力してくれています。山頂から徐々に下の方まで来て、ようやく今日清掃をする青木ケ原樹海の辺りまできました」という話から始まりました。
 「以前は大きい産業廃棄物などが多かったのですが、今日は『ポイ捨て』のゴミが主だと思います。注意してほしいのはペットボトルです。お茶かな?という色の液体が入っているものは要注意。『尿入りペットボトル』なんです。液体を流そうと蓋を開けると吹き出して大変なことになります。臭いがすごいので、みなさん気をつけて下さいね!」という注意も。「ゴミを拾っているとゴミに取りつかれて、山菜採りのようにどんどん奥に行ってしまいます。でも、もし迷子になったら来年のクリーンツアーで見つけるから大丈夫ですよ」という野口さん流の冗談に参加者から笑い声が上がりました。

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 鳴沢氷穴の近くの駐車場でバスを降り、ゴミ袋とゴミ拾い用のトングを手に青木ケ原樹海まで少し歩きます。
この日は道路沿いの斜面を中心に清掃します。落ち葉が多い地面を注意して見みると、たくさんのゴミが見つかります。飲料缶、プラスチックの弁当容器、レジ袋...そして、野口さんが注意していた「尿入りペットボトル」もあちこちから見つかりました。道路沿いの斜面なので、車の窓から「ポイ捨て」したと想像できます。山登りが趣味で、クリーンツアーには初めて参加したという東京都品川区の自営業、石川秀平さん(71)は「ゴミの多さにびっくり。車の窓から捨てちゃってるんだよな」と驚いていました。

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 さらに先に進むと、タイヤや金属のワイヤーも見つかりました。ゴミが固まって捨てられているところもあります。青森県八戸市から参加した会社役員の外舘友之さん(39)は「空き缶やペットボトル以外にも、わざわざ持ってこないとここにないようなものもあって驚きました。どうして捨てるんだろう、どうしたら捨てなくなるんだろう、と考えながら拾っていました」と話していました。

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 途中で、野口さんは「『尿入りペットボトル』はここ数年で増えました。渋滞や信号待ちが長いと我慢できなくなることも分かるけれど、持って帰ればいいこと。どうしたらなくせるのか、みんなで考えないと」と厳しい表情を浮かべていました。

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清掃活動で集めたゴミを手に記念撮影をする野口健さん(右)とターパ・ゴダル・ウパカルさん

 岡山市のホテル従業員・ターパ・ゴダル・ウパカルさん(30)は夜行バスを利用して、参加しました。「エベレストの清掃活動をしてくださっている野口さんへの恩返しに」という思いから、留学生だった2014年9月に富士山の清掃活動に参加したことをきっかけに、野口さんとの交流が始まったそうです。野口さんの協力も得て、故郷の小学校の再建に取り組み、2021年5月に新校舎を完成させました。ウパカルさんは「富士山の清掃活動のように、みんなのものだからみんなできれいにしていこう、という活動や思いをネパールに紹介することで、ネパールの人たちも自分に置き換えて、故郷でできることはないか、と考えてくれるかもしれない。日本とネパールの懸け橋として、感じたことをどんどん発信していきたい」と笑顔で話してくれました。

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 清掃活動を終え、富士山クラブもりの学校に戻ると、スタッフのみなさんが作ってくれた豚汁が待っていました。野口さんが自らお椀によそって参加者に手渡してくれました。交流会では野口さんがこれまでの活動を振り返るとともに、この日も数多く見つかった「尿入りペットボトル」について、「どうすれば減らせるか考えないといけない」と訴えました。「まずはこの問題を話題にしないとだめですね」という言葉に参加者の皆さんが大きくうなずいていました。

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青木ケ原樹海での清掃活動後、富士山クラブもりの学校で行われた野口健さんとの交流会

 この日、みんなで集めたゴミは約135キロに上りました。そのゴミと一緒に富士山が見える校庭で記念撮影をしました。参加者が乗り込んだ帰りのバスに向かい、野口さんや地元のスタッフの皆さんはずっと手を振ってくれました。富士山の清掃活動に「15回以上は参加している」というさいたま市の蓮見美樹さん(64)は「満足できるくらい、ゴミをたくさん拾え、自分の心も洗われるように感じました。また参加したいです」と話していました。
 美しい自然が汚れることはとても、「MOTTAINAI」ことです。今後もより多くの皆さんと力を合わせて活動を続けていきたいと思います。

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富士山が見える富士山クラブもりの学校の校庭で、野口健さんと記念撮影をする「富士山クリーンツアー」の参加者たち=山梨県富士河口湖町で2022年11月19日
【竹内紀臣】

毎日新聞デジタルで「富士山クリーンツアー」の記事、写真特集、動画を見ていただけます
ぜひこちらからご覧下さい
https://mainichi.jp/articles/20221121/k00/00m/040/278000c

インターネットで海外にも発信している毎日新聞の英字日刊紙「The Mainichi」では英語で読んでいただけます
https://mainichi.jp/english/articles/20221123/p2a/00m/0na/004000c

野口健さんのツイッターにもご注目ください!
https://twitter.com/kennoguchi0821

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