研究員コラム

安藤美冬のMOTTAINAIブログ vol.37

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先日、素敵な絵本と出会いました。『クマヤマダさんとわたし』という作品です。タリーズコーヒーが発行している絵本で、今は絶版となっているようです。友人がAmazonで新品同様の中古品を見つけてくれ、プレゼントしてくれました。

人と関わって傷つくのが怖くて、いつもひとりぼっちで過ごしている少女のもとに、ある日、大きな贈り物が届きました。開けてみると、なんとそこには生きているクマが!「クマヤマダ」と名乗るクマさんは、その日から少女の家に居候するという、不思議な生活が始まりました。

一緒に川遊びをしたり、ごはんを食べたりしているうちに、少女は少しずつ心を開いていきます。誰かと一緒にいることは、こんなに楽しい。しかしながら、そんな時間は長く続きませんでした。突然訪れた、クマヤマダさんとのお別れ。「だから私は、誰とも一緒にいたくないんだ。せっかく心を開いたのにまた、こうやって傷ついてしまうから」。再びひとりぼっちになってしまった少女でしたが、そこにある出来事が起きて......。

『クマヤマダさんとわたし』を読みながら、なぜだか号泣するのをとめられませんでした。どうしても読んでもらいたかった、という友人の気持ちが嬉しかったのもあります。大人になるにつれ、人との関わりも増え、歩く世界も広がり、いつしか器用に生きられるようになるものです。それでも、どんな人の中にも、本当に人とつながること、心の底から人に心を開くことを、強く怖れる気持ちがあります。この絵本を読み進めていくと、胸の奥にそっと閉まっていた「痛み」が、次第にやわらかくほぐれていくようでした。

子どもはもちろん、大人が読んでも深く癒される作品です。ぜひ親子一緒に読んでみてください。

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