クローズアップ

次世代の自然を守るのは木を伐り、活用しきる取り組み。

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前回の記事では日本の木材資源の可能性と林業の現状をお伝えしました。
今回は、その状況を変えるにはどんなことが必要なのか。そして実際にどのような取り組みが行われ
ているのかを、MOTTAINAIショップにも商品を出品しているオークヴィレッジの片岡淳さんに教えて
いただきます。

本当に自然を守るのに必要なのは、
きちんと伐採し、放置しないこと。


「まず日本の山、森林をきちんと守っていくためには放置しないということが大切です。木を一定の
期間で伐採し、伐った木をまた切り株から育てていく。ひとつの木が家具などに使えるようになるに
は60年から100年を要しますから、私たちではなく次の世代のために森を育てていく。そんな考え方
になりますね。木を定期的に伐採して、きちんと製品に活かす。そして伐った木はまた育てていく。
この循環をきちんと保つことが自然を守ることにも、林業を守ることにも、そして資源を活かして
産業を発展させることにもつながっていくと考えています」

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自然を守るため、森を守るために大切なのは、「木を伐らない」ということではなく、木を伐って
製品に活かし、またその木を育てていくというサイクルをつくること。生えている木をそのままに
しておくのが自然のためになるとは限らないのだそうです。

オークヴィレッジでは、森林資源を有効活用した地域活性化の取り組みもしているとのこと。
誰も林業を担えないから森林が放置されている、というのではなく、木を木製品に変え、経済を
循環させ、木材の価値を高めることで、林業など木に携わる人材を育成していくことも大切だと
考えているのです。

端材も最後まで活用。
使われなかった品種も活かしきれるように。


森を育てる循環を保つための取り組みはもちろん、MOTTAINAIの心に通じるものです。
その他にも、オークヴィレッジでは伐った木を製品として活かしきるための取り組みをしています。

ひとつには、家具や建物をその製品に適した材料で制作し、その際に出る小さな木材を他の製品に
使うことです。たとえばオークヴィレッジではそれらを使ったつみきなどが人気なのだそう。様々
な品種の木をつかっているので、それぞれの質感を楽しむこともでき、プレゼントなどにお求めの
方も多いんだそうです。

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もうひとつ、片岡さんが必要だと強調するのが、もっと様々な品種の木材を活用できるように市場が
変わっていくことです。前回の記事でお伝えしたように、これまで市場で価値があるとされてきたのは、
加工のしやすい針葉樹を中心としたものばかり。製品によっては、本来は広葉樹の方が向いているもの
もありながら、広葉樹があまり活用されてこなかったのは、取り扱いの難しさが大きな要因でした。

その状況を変えていくために、オークヴィレッジが行っているのがHamada Woodsという施策。
ひとつの地域で地元の広葉樹を伐採から製材・加工まで一貫して行うため、人材育成も含めた仕組み
づくりに取り組んでいます。

森を守り、伐った木は余すことなく使い切る。そして、これまで使われてこなかった樹種も活用できる
ように変えていく。オークヴィレッジの取り組みは、自然を守る以上に、これからの日本の資源の
あり方も変えていくのかもしれません。

次回は木製品のお手入れ方法に関して、引き続き片岡さんにお伺いします。

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*関連読みもの*
「日本は資源のない国」は本当?豊かな資源の可能性と林業の現状。
ずっとずっと大切にするための、木製品のお手入れ。



*今回の記事に関係するMOTTAINAIグッズ*


*ご協力いただいたのは*

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